唐突ですが、「横浜の川」という冊子(PDF)があります。
発行元は、横浜市道路局河川部、というお役所ですが、横浜市内の河川の概要から、河川改修や防災の話まで、豊富な写真も載っていて横浜市に関わりのない人でもなかなか読み応えのあるものです。
さて、このパンフの中に横浜市河川図があるのですが、今回の探鳥場所は、緑で囲った柏尾川(かしおがわ)です。二級河川となっているこの川は、横浜市戸塚区で支流が合流し、横浜市栄区を抜け、藤沢市の方で境川に合流するまで約11km。
完全に護岸工事がなされて、屈曲の少い、浅い流れなのですが、意外に水鳥を見た記憶があったので、久しぶりに訪れてみました。
2回に分けてお送りする柏尾川編。今回はカモ等の中型の水鳥を中心に、次回は水辺に集う小鳥たちを扱います。
柏尾川の中流域の様子は、というと、護岸工事がなされた河岸は切り立ったこんな感じです。右側の歩道の上からの撮影です😓
土曜の10時ごろ、歩道から見下ろすと、三渓園の池では、数えるほどしかいなかったオオバンがいっぱいいます😅
そして、水中には大きな魚がいっぱい・・・鯉(コイ)ですね。
ぐわっ、ぐわっと鳴いているのもいて、なかなか賑やか。
黒い体とのコントラストで、額(ひたい)と嘴(くちばし)は単に白い、と見えますが、嘴は少しピンクがかかっているのが、わかるでしょうか。
意外にも水の透明度は高くて、水中で動かす脚が見えます。連続写真でどうぞ。
ここで、一枚目の写真で気づいた方いますか?
それは水掻きです。カモのような水鳥は、足指の間に膜が張った水掻きです。
ところがオオバンは、指一本一本の両側にひらひら状に膜があるのです。
この陸に上がっていた個体では、わかりやすいですね。この脚を弁足というそうです。
しばらく進むと川の真ん中が浅くなっていて、石の上には体を乾かしているカワウが何羽かいます。
こう見ると迫力ありますね。鳥類は恐竜と近いといいますが...
そして、顔を拡大してみると、実は眼はきれいな緑色なのです。
別の浅瀬になったところに、小ぶりのカモの群れが休んでます。
陽が射してきて暖かくなったのか、動き出しました。コガモです。
こちらがオス。
ちょっと地味な方がメス。
でも、次列風切羽が光沢のある緑色なのは、韓国でも見ましたね(コガモの雌、きらりと緑のアクセント!)。
近くに一回り大きいカモも泳ぎ回っています。
こちらは初見、ヒドリガモです。
こちらがオスです。
雄雌とも、嘴が灰色がかった水色で、先端が黒いですね。
三渓園では、キンクロハジロがわんさかいました。
今回、柏尾川で見たキンクロは、コガモより小さいくらいの、この三羽のみ。
まだ、羽毛がまだら模様で、若い兄弟でしょうか。
速い流れの中でも、三羽でぴったり寄り添って泳いでいました。
他に、アオサギやコサギといったサギ類も見かけましたが、ユニークな飛翔を見せたのはダイサギです。
通常サギ類は飛ぶときには、首を曲げて飛ぶのですが、短距離の飛行だったせいでしょうか。カモのように、首を伸ばして飛んでいる姿を初めて見ました。
(通常の飛翔の形は、この回で↓)
さて、一羽だけ茂みの陰に姿を見せたカイツブリで今回はおしまいです。
ちなみに、カイツブリの水掻きも「弁足」だそうです。
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