都鳥、と言っても、今回はミヤコドリは登場しません。
日本の野鳥には、ミヤコドリという名前の鳥がちゃんといるのですが、今回の主役は和歌の中で歌われた都鳥(みやこどり)のこと。こちらは、ユリカモメを指すというのが通説のようです。
(ミヤコドリが気になる方は、SUNTORYの鳥のサイトで確認してみてください)
初春の気候になった二月末、所要で後楽園の近くへ出かけました。
地図で見たら、ほど近いところに不忍池(しのばずのいけ)がある。バードウォッチングを韓国で始め、まだ一年経たない私。東京の池にはどんな水鳥がいるのだろう、と行ってみることにしました。今回はカバンに入る望遠コンデジがお供です。
後楽園駅から歩いて10分くらいで、東京大学本郷キャンパスの北側の道に入ります。この辺は文京区ですね。「言問通り(ことといどおり)」という表記。
「言問い通り」という名称は、この道を東へ下ると行きつく台東区浅草の「言問橋(ことといばし)」にちなむようで、平安時代の歌人、在原業平(ありわらのなりひら)が、この地で京の恋人を偲(しの)んで詠んだ歌に由来するそうです。
『名にしおはば いざ言問わん都鳥 わが思う人はありやなしやと』
ハイ、この歌に都鳥が登場します😀
さて、不忍池へは言問通りから東大キャンパス沿いに右手へ折れます。この路の名前は「暗闇坂」。由来は...(省略)
そのまま下っていくと、不忍池の直前にある東大の門が「池之端門(いけのはたもん)」、まさに池の傍です。
この辺りには大きな邸宅が散見されます。
この家は、コンクリート打ち放しに瓦屋根が載って、不思議な感じです。
こちらは、多角形をベースにしたモダンなデザインとでもいいましょうか。
ようやく、池の前に到着です、
地図では、不忍池が上野公園の端っこにあるのがわかります。
不忍池そのものは左奥にある池、右奥は蓮池、手前はボート池、という呼び名のようです。
ボート池に近づくと、遊歩道で餌をもった親子がカモメにたかられて、えらいことになっています。実はこの鳥が歌に出てきた都鳥、ユリカモメです。
そう言えば、新橋からお台場の方を走っている『新交通ゆりかもめ』という電車もありますね。こちらも「都民の鳥」ユリカモメにちなんだネーミングだそうです。
二羽がおとなしく止まってます。
いつもの図鑑を見ると、羽にまだ茶色っぽい部分が残る手前が幼鳥。そして奥が成鳥のようですね。図鑑ではわかり難いですが、嘴と脚は成鳥の方が赤味が強いようです。
とにかく、いっぱいいます。
鈴なりです。みんな成鳥。みんな池の方向向いて整列。
こちらの鈴なりは、右端の一羽以外はみんな幼鳥のようです。
あっちこっち向いてます😂
さて、水面に目を移すと、ここにも奴らがいました!
横浜三渓園で、池を占領していたキンクロハジロです。本当に、勢力拡大中なのですね。
数は少ないながらも、オオバンやユリカモメも混じって浮いています。
でも他の種類のカモは見当たりません。奥の蓮池へ移動します。
弁天堂を正面にして、そこへ渡る橋の傍に鮮やかな色のカモ発見。
くちばしが幅広い😐 その名もハシビロガモです。
メスもいました。こちらの嘴も幅広い。
コガモと同じで、次列風切羽が緑色のようですね。
さらに枯れたハスの茎の向こうからも、見慣れぬカモが近づいてきます。
尾羽がピンと長い😐 こちらはオナガガモです。
池に沿って歩いていると。騒がしい鳥の声がします。
ベンチに座ったおじさんが、鳥たちに餌をあげています。
ユリカモメと並んで多いのは、この小柄で嘴と脚がオレンジ色の鳥。ムクドリですね。
この鳥も 鳥見を始めてからは、初のお目見えです。
いっぱいいます😓
陸の上ですが、カルガモやオナガガモ(ペア)も混じって投げられた餌を追いかけていました。
ひとしきり写真も撮って、ちょっと気を抜いていたら、スズメが目の前に出現。頭がはみ出していますが、スズメもこう見ると、なかなかきれいな模様ですね。
最近、日本ではスズメが減っているそうで、確かにあまり見かけない気がもします。
帰りがけに電線の上から見送ってくれたのは、ユリカモメ。
この角度で見ると、あらためてきれいな鳥だと思います。
出口の近くで、2本だけ植えられた河津桜(かわづさくら)が花をつけていました。
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