干潟でシギチを追いかけて

ようやく涼しくなりました。

今年の夏は、暑すぎて近づかなかった海辺に、シギやチドリ(ひっくるめてシギチと呼びます)を探しに向かいます。


シギチの多くが、日本では旅鳥・冬鳥となります。冬鳥は文字通りの意味ですが、旅鳥は北の大地で夏に繁殖し、凍える冬を避けるように南へ旅する途中、日本に立ち寄って、春と秋のひととき姿を見せる鳥たちです。

東京港野鳥公園で見かけたイソシギ(磯鷸、깝작도요)

東京港野鳥公園でも一部見られますが、シギチの多くが立ち寄るのは、やはり潮が引いた遠浅の海、干潟。
今回初めて訪れるたは、千葉県の海辺、ディズニーランドの東側に位置する
”ふなばし三番瀬海浜公園”です。

浦安の出口に列をなすディズニーランドへ向かう車列を横目に、高速を進み、目的地 ふなばし三番瀬 に到着したのは、駐車場がオープンした9時過ぎ。

 

この日の干潮時刻は朝5:46なので、3時間ほど経ったこの時間、徐々に潮が満ちてきています。
ここでの野鳥観察は初めてなので、まずは展望デッキから双眼鏡で眺めて鳥影が見える方向へ向かって浜辺を降りて行きます。

10月の声を聞いた今日、さすがに潮干狩りの人はほぼいません。
ちらほら見える人影は、望遠レンズを持った鳥見の御同胞がほとんど😅

 

海の傍へ近づくと、埋め尽くすほどではないですが、結構シギチがいますね!

 

順番に見ていきましょう。

見ている場所の向かい側の砂州(さす)で、一番せわしく動き回っていたのが、ムクドリくらいのサイズのこの鳥、ハマシギです。冬羽に替わりつつある成鳥か、幼鳥の群れのようですが、お腹に黒い羽があるのが特徴です。

ハマシギ(浜鷸、민물도요)

その近くにいる白っぽいこの鳥は、ミユビシギと言います。

ミユビシギ(三趾鷸、세가락도요)

この名前は、そう、指が3本 に由来する名前です。

ミユビシギの指は3本

他の鳥、例えばハマシギも、後ろにいわゆるケヅメがあって4本なので、ミユビシギの3本指は珍しいのでしょう。少し見難いですが、並べてみました。

 

かれらは、潮の引いた砂地を、餌となる砂の中のゴカイや蟹、貝とを探して、とにかく突っつきまくります。しかも歩きながら。

ただ、最近、小型のシギ類は、干潟の泥に付いているバイオフィルム(微生物膜)が餌の大半という報告もあるそうです。

 

 

一方、ハマシギたちと比べると、ひときわ大きいこの鳥。

ミヤコドリとハマシギ

黒白の体に、赤い長いくちばし、赤い脚、眼も赤色。この鳥、ミヤコドリと言います
(くちばしの色から、通称ニンジン)。大きな群を作って、国内で越冬する鳥です。

ミヤコドリ(都鳥、검은머리물뗴세)

ハマシギとミヤコドリの食事風景をしばし見てみましょう。

 

ミヤコドリと言えば、和歌に謡われた都鳥(別の鳥)をこのブログで扱ったこともあります。

 

さらにその向こう。少し水深があるところに、ダイサギが数羽いたのですが、たまたま写真を撮ったときが、魚を捕まえた瞬間だったようです。潮に乗って泳いでくる小魚狙いだったのですね。

ダイサギ(大鷺、중대백로)

 

砂州の鳥に気を取られていたら、5mも離れていない手前に、一羽の中型のシギがうずくまっています😳。

手前に中型のサギが。。。

ダイゼン(大膳、개꿩)

眼の上には、はっきりした白い線。ダイゼンかムナグロっぽい。。。

夏羽から冬羽に替わろうとしているこの時期、シギチ初心者には判断がつきにくのですが、立ち上がったとき、小さい後ろ指が見えたのでダイゼンでしょうか。

 

大分潮も満ちてきました。
振り返ると、割と近いところでもハマシギミユビシギが走り回っていました。

(携帯で撮ってもこの距離)

ハマシギミユビシギ


よく見ると、一瞬立ち止まってはダッシュして地面を突っつく、というシギと異なる動作の鳥もいます。チドリ科のシロチドリのようです。

シロチドリ(白千鳥、흰물떼새)


なかには、こちらにどんどん近づいてくる子も。

シロチドリ;ち、近い。。。

 

 

再び、潮が満ちてきた沖に目をやると、残された砂洲の上でミヤコドリが横にずらっと並んでいます。

ずらっと並んだミヤコドリ

見る角度を変えて・・・ミヤコドリ、70羽以上います

その手前の洲には、ウミネコが集まっています。
ミヤコドリも一羽混じっているのがわかりますか。

ウミネコの群れ;ミヤコドリが一羽

 

さきほどのダイゼンではないですが、近くで座り込んでいるウミネコもいます。
(この写真トリミングなし)

ウミネコ(海猫、괭이갈매기)

他のカモメと区別できるくちばしの色

ウミネコを他のカモメから区別するのは、その鳴き声のほかには、このくちばしの色です。根元から、黄色-黒-先端の赤、がウミネコの特徴です。

 

さてさて、だいぶ潮も満ちてきたので、引き揚げます。

 

これまで干潟で鳥見をしていなかったせいもあるのですが、初めてのシギチをたくさん見れて大満足。本日の初見の鳥は・・・

ハマシギミユビシギ、シロチドリ、ミヤコドリ と豊作でした。

 

 

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