横浜・柏尾川の水鳥たち

唐突ですが、「横浜の川」という冊子(PDF)があります。

発行元は、横浜市道路局河川部、というお役所ですが、横浜市内の河川の概要から、河川改修や防災の話まで、豊富な写真も載っていて横浜市に関わりのない人でもなかなか読み応えのあるものです。

さて、このパンフの中に横浜市河川図があるのですが、今回の探鳥場所は、緑で囲った柏尾川(かしおがわ)です。二級河川となっているこの川は、横浜市戸塚区で支流が合流し、横浜市栄区を抜け、藤沢市の方で境川に合流するまで約11km。

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完全に護岸工事がなされて、屈曲の少い、浅い流れなのですが、意外に水鳥を見た記憶があったので、久しぶりに訪れてみました。

 

2回に分けてお送りする柏尾川編。今回はカモ等の中型の水鳥を中心に、次回は水辺に集う小鳥たちを扱います。

 

柏尾川の中流域の様子は、というと、護岸工事がなされた河岸は切り立ったこんな感じです。右側の歩道の上からの撮影です😓

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土曜の10時ごろ、歩道から見下ろすと、三渓園の池では、数えるほどしかいなかったオオバンがいっぱいいます😅

そして、水中には大きな魚がいっぱい・・・鯉(コイ)ですね。

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ぐわっ、ぐわっと鳴いているのもいて、なかなか賑やか。
黒い体とのコントラストで、額(ひたい)と嘴(くちばし)は単に白い、と見えますが、嘴は少しピンクがかかっているのが、わかるでしょうか。

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オオバン(大鷭、물닭)

意外にも水の透明度は高くて、水中で動かす脚が見えます。連続写真でどうぞ。

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ここで、一枚目の写真で気づいた方いますか?

それは水掻きです。カモのような水鳥は、足指の間に膜が張った水掻きです。

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ところがオオバンは、指一本一本の両側にひらひら状に膜があるのです。

この陸に上がっていた個体では、わかりやすいですね。この脚を弁足というそうです。

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しばらく進むと川の真ん中が浅くなっていて、石の上には体を乾かしているカワウが何羽かいます。

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カワウ(川鵜、민물가마우지)

こう見ると迫力ありますね。鳥類は恐竜と近いといいますが...
そして、顔を拡大してみると、実は眼はきれいな緑色なのです。

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別の浅瀬になったところに、小ぶりのカモの群れが休んでます。

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陽が射してきて暖かくなったのか、動き出しました。コガモです。

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コガモ(小鴨、쉬오리)

こちらがオス。

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ちょっと地味な方がメス。
でも、次列風切羽が光沢のある緑色なのは、韓国でも見ましたね(コガモの雌、きらりと緑のアクセント!)。

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近くに一回り大きいカモも泳ぎ回っています。
こちらは初見、ヒドリガモです。

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ヒドリガモ(緋鳥鴨、홍머리오리)

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こちらがオスです。
雄雌とも、嘴が灰色がかった水色で、先端が黒いですね。

 

三渓園では、キンクロハジロがわんさかいました。
今回、柏尾川で見たキンクロは、コガモより小さいくらいの、この三羽のみ。

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キンクロハジロ(金黒羽白、댕기흰죽지)

まだ、羽毛がまだら模様で、若い兄弟でしょうか。
速い流れの中でも、三羽でぴったり寄り添って泳いでいました。

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他に、アオサギコサギといったサギ類も見かけましたが、ユニークな飛翔を見せたのはダイサギです。
通常サギ類は飛ぶときには、首を曲げて飛ぶのですが、短距離の飛行だったせいでしょうか。カモのように、首を伸ばして飛んでいる姿を初めて見ました。

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ダイサギ(大鷺、중대백로)

(通常の飛翔の形は、この回で↓)

 

さて、一羽だけ茂みの陰に姿を見せたカイツブリで今回はおしまいです。
ちなみに、カイツブリの水掻きも「弁足」だそうです。

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カイツブリ(鳰、논병아리)

 

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日本での鳥見スタート! 横浜三渓園

およそひと月ぶりのブログ更新です。
しばし韓国での鳥見はなさそうなので、今回からブログのタイトル変更です。

 ⇒「マチ中で鳥を探して」

 

コロナ禍で、韓国から日本へ戻って隔離も終わると、だんだん鳥見がしたくて、うずうずしてきました。
近くの公園で、ジョウビタキシジュウカラを見かけましたが、日本の冬鳥と言えばカモ。以前カモを見かけた覚えのある、横浜・三渓園で出かけてみました。

 

三渓園は、横浜の中心、中区のはずれ、本牧にある日本庭園で、パンフによると「明治時代から大正時代にかけて製糸・生糸貿易で財をなした横浜の実業家・原三渓(本名 富太郎)が・・・・」作り上げ、「京都や鎌倉から集められた・・・・17棟の歴史的建造物・・・・」ということで、見どころも多いですが、今回はとにかく鳥です😐

 

さて、入口から趣のある感じです。

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三渓園のシンボルといえば、京都・燈明時(廃寺)から移築された三重塔なのですが、関東に現存する木造の塔としては最古だそうです。

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庭園の真ん中にある池、朝10時前ですが、最近の冷え込みで一部がまだ凍っています。

そして、氷のないエリアには、黒っぽい水鳥が集まっています。

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ずっと寄ってみると、その頭は紫色、長い冠羽に眼は金色に輝いています!
最近日本中で勢力を拡大しているというキンクロハジロです(初見です!)。

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キンクロハジロ(댕기죽흰지)

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ペアで比べると、奥のメスのほうが、お腹の部分がくすんだ色合いです。

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冬鳥ではありますが餌付けされている感じです(餌は売店で販売)。
餌やりがが始まると、わんさか集まってきます😂

そこにわって入ってくる体の大きいマガモカップル。

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マガモ(청둥오리)

全身黒くて眼が赤いオオバンも少数ですが混じっています。

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オオバン(물닭)

よーく見ていると、一羽だけ色合いの違う鴨がいます。
あとで図鑑で見てみると、ホシハジロの雌のようです。

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ホシハジロ(흰죽지)

図鑑と言えば、韓国にいるときは「韓国の鳥類」(右)という図鑑にお世話になりましたが、帰国にあわせて日本野鳥の会の「日本の野鳥」(左)を購入😊

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中を見てみると、兄弟本と思うくらい構成が同じ。
でも鳥の絵は違うので、それぞれ用意したのでしょうね。

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「日本の野鳥」(上)、「韓国の野鳥」(下)

今回見かけたホシハジロ(♀)に関しては、「韓国の野鳥」の方が近い色合いでした。

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水面に落ちた餌を狙う小魚をさらに狙っているのでしょうか?
アオサギも餌やりの場所へ飛んできました。

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アオサギ(왜가리)

さらにカラス(ハシボソカラス)も餌を狙ってやってきました。
真っ黒なカラスを撮影するには、なかなか光量の調整が難しいのですが、陽のさす場所にきたこのカラスは、非常に綺麗な被写体でした😶

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ハシボソガラス(까마귀)

池から離れて、園内をそぞろ歩くと、2月の初めですが梅が咲いている木があります。
明るい単焦点のレンズに付け替えて、三重塔をバックに写真に収めてみます。

連日、日本も寒いですが、春はそこまで近づいて来ているのでしょうね。

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園内をぐるっと回ってみましょう。

三渓の住まいであった鶴翔閣(かくしょうかく)。

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屋根が銅なのでしょうか、屋根の色が特徴的な三渓記念館。

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木造の作りがよくわかる旧燈明寺三重塔。

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謂れはわからないですが、幟(のぼり)が立っている三渓園天満宮

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いろんな建物を見ながら、園内を廻ります。

 

じっとしていますが、枝の上にいるのは丸々としたヒヨドリです。

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ヒヨドリ(직박구리)

ハクセキレイも飛んでいましたが、今回は写真なし。

帰り際に、カルガモカップルも泳いでいて、のんびりした気分で三渓園を後にしました。

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カルガモ(흰빰검둥)

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DMZ、鉄原平原でタンチョウを探す

コロナ禍のもと、韓国で始めたバードウォッチング、そしてこのブログ。

私事ですが、このたび韓国を離れることになり、韓国発のブログはいったん終了です。

 

その最後に訪れたのは、韓国の北、北朝鮮との軍事境界線DMZ (De-militarized Zone)のひとつ、鉄原(チョルォン 철원)。
鉄原平原は、世界的にも貴重なタンチョウの大越冬地として有名です。

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タンチョウと言えば、日本では釧路湿原に生息していますが、秋から冬の韓国・鉄原平原では、1,000羽を数えるタンチョウ(두루미)、そして同じくツル科のマナヅル(재두루미)は5,000羽規模で、越冬するそうです。

今回、このブログを読んでくれている知人から、鉄原での探鳥ツアーが再開された、と聞き、韓国バードウォッチングの締めくくりとして行ってきました。

 

ソウルから車で1時間半で、ツアーを開催する「国際ツルセンター(국제두루미센터)」に到着。

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センターの前には、鉄原というか韓国でで見られるツル、7種類の等身大模型が並んでいて、気分を盛り上げます。

ちなみに、タンチョウ(最左)は140cm。隣のマナヅルが130cm弱、とあります。意外と大きい😮

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後ろの横断幕には、ハングルで「2022.1.2(日)DMZタンチョウ バードウォッチング観光再開」!

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センターの中では、韓国の鳥類や動物の剥製が並び、タンチョウの生態のムービーを流しています(韓国語ですが😅)。

 

さて、ツアーは午前・午後の2回、その場で申し込み定員になったら受付終了。
訪れたのは日曜でしたが、参加者は20人強でしょうか。2台のバスに分乗して出発。ちなみに、ツルを驚かせないように、このバス電気自動車だそうです。

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コースは国際ツルセンターから、オレンジのルートを行きつ戻りつ、2時間かけてめぐります。
途中、展望台を含め、3カ所で停車します。

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回るエリアは、農地を耕作する農民や軍関係者以外入れない、いわゆる”民間人統制区域”です。
検問所で、ツアー出席者の名簿を渡して、バスはエリアの中へ。

 

ツルは基本、バスの中から見るとのことで、本当に見られるのかの不安がありましたが、その不安は5分もしないうちに解消です!

まずはマナヅル。

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少し遠いな、と思っていたら、道路の脇の田んぼにタンチョウ。

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次から次へと、ツルの姿が現れます🥰

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タンチョウ(두루미)

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マナヅル(재두루미)

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よーく見ると、タンチョウもマナヅルも3羽か4羽のグループで一緒にいます。
今回も登場、いつもの図鑑「韓国の鳥類」で見てみましょう。

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逆光気味ですが、首から上が茶色っぽい右側の二羽が幼鳥。

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タンチョウの親子

一方、マナヅルの幼鳥は首の中ほどからやはり茶色っぽいですね(左側の二羽)。

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マナヅルの親子

こういったツル科のヒナは、2羽または1羽で、常に親子で一緒にいます。

 

こちらのマナヅルはカップル? それとも親子?😂

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マナヅルのカップル(?)

 

さて、バスはアイスクリーム高地(?)という名の展望台へ。

展望台のてっぺんには、備付けの望遠鏡もありますが、上からツルを探すとこんな感じ。これはこれでスケール感わかっていいですが、やっぱり小さい。

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マナヅル

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タンチョウ

バスに戻って、ツアーの再開です。

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ツルが現れるたびに、右に左にカメラを振るので大変です。
いつもの相棒、100-400mmのズーム(DXフォーマットで600mm相当)は車内で振り回すのはギリギリのサイズ😅

 

飛び立つツルも何度か見ましたが、上空の撮影は車内からは厳しい。
それでも水平に飛ぶマナヅルを捉えました。

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タンチョウもなんとか1枚😅

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ツアーも後半になり、今は廃駅の「月井里駅」跡へ立ち寄ります。

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裏手には、破壊された列車の残骸が展示されています。

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右手を見ると、土塁が築かれています。
やはり国境が近いエリアだ、と実感。

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さて、あと1カ所の停車場所、農産物検査所跡では、ポツンと残ったビルはともかく、遠方にタンチョウの群れを発見。
バスのガラス越しでない撮影は、動画で。手持ちでちょっと揺れてますが....

 

さて、バスに戻り、バードウォッチングも終盤です。

タンチョウとマナヅルも仲良く並んで食事中。

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実は、この右手に視線を移すと・・・マナヅル多い。

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ズームを手前に引きます・・・多すぎる。

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実は、何百羽というマナヅルの大集団です。

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時間も午後4時に近いので、集まってねぐらへ向かうのでしょうか?

遠目ですが、雁(ガン)の大群も空を舞っています。

 

バスが帰路につく途中、今日一番近距離でタンチョウとマナヅルを捉えました。

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拡大してみると、タンチョウの眼って、つぶらでかわいいかも。

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こちらのタンチョウには、しばし見つめられて🤣

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今回、バスの中からの撮影でしたが、幸い満員でなかったので窓際にみな座れ、左右にレンズを向けることができました。さらに1月初旬というのに暖かくて窓が曇らず、最後までツルを堪能(撮影)できました。

 

比較的近場で、いろいろな鳥を楽しませてくれた韓国。
少し先になると思いますが、また別の場所でバードウォッチング始めたら、ブログも再開しますね。

このブログに立ち寄ってくれた皆様、ありがとうございました。

 

清渓川を遡る(後編)。ジョビコもひっそりと。

前回に続き、清渓川(チョンゲチョン 청계천)アルキの続きです。
今回は、下図の清渓川博物館からスタートです。

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前回最後に、復元された川べりのバラックが出てきましたが、その真後ろ、緑のガラスで覆われた近代的なビルが清渓川博物館です。

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この博物館、入場無料で、秋に行った際には、清渓川の歴史を遡るムービーを流していました。各時代の実際の写真と、CGで再現した朝鮮王朝時代の風景を組み合わせ、変遷をCGでつなげてあって、視覚的にわかって面白いです。

(CGも混じってますが、ムービーのキャプチャしたものを並べておきます)

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1976年には清渓高速道路が完成。

その後、高速道路の老朽化もあり、高架の撤去工事が行われ清渓川も”復元”されるわけです(2003~2005、たった2年!)。

 

さて、この辺にはなぜか、マガモが群れています(20羽以上)。

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流れに遡って、上流へいくペアも。

 

少し上流に行くと、かって清渓川の上にあった高架道路の橋桁が3つだけ残されています。これを2年で全部取り払ったんだから、すごいです😮

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存置橋柱

 

下の写真の奥に見える古そうな建物は、ドンイル商街アパート(동일상가아파트)といって、半世紀前の建物です。清渓川沿いにも、こういう古い、しかし現役のアパートが点在しています(マチノアルキで教えてもらいました😊)。

 この先に、さらに面白い3.1アパートなる上の階を取っ払ってしまった建物があるんですが、川からは見えないので今回は未掲載。マチノさんのブログご参照ください。

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川幅が狭くなった向こう岸の岩の上で、小さな影が動いています。

羽に白い紋、これ、ジョウビタキのメスです(通称:ジョビコ)。
今にも雪が降り出しそうな状況での撮影で、あまりシャープな絵ではないですが、地味だけど上品なかわいい小鳥です😍

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ジョウビタキ ♀(딱새)

ジョウビタキと言えば、最近晴れた日に炭川でオスと遭遇しました(通称:ジョビオ)。

こちらは銀色の帽子をかぶり、オレンジでめかしこんでいます。
オスの派手さか、メスのかわいさか、好みが分かれるところかも。

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ジョウビタキ ♂(딱새)

こちらの動画で、初夏の繁殖期のさえずりではない、いわゆる地鳴き(じなき)を聞いてみてください。

 


路も半ばを過ぎ、川幅が狭くなり水深が浅くなってくると、カモ類は少なくなります。

代わりに、シラサギ類が見られるようになります。
じっと川面を眺めて、魚を探しています。

まずはその名の通り大型のサギ、ダイサギです。

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ダイサギ(중대백로)

思いっきり、水面を覗き込んでいます。

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この辺のシラサギは人に慣れ過ぎています。
大胆にも歩道上にサギがいます!

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寄ってみると、脚指が黄色いコサギですね。

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コサギ(쇠백로)

次の瞬間、水面へジャンプ!

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魚を捕えました。

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全長10kmもない清渓川ですが、車道、歩道、鉄橋含め、橋が24個あるそうで、結構個性的な橋もあって面白いです。

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川登りも終盤。さらに川幅が狭くなると、出会う鳥の数も減ってきます。
今日の最後は、片足で佇むコサギでした。

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清渓川の起点は、こんな風に滝状になってます。
なんでも地下鉄の駅に供給するのと同じ水を流しているそうです。

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今回、かなりの人が歩いているのを目にしましたが、ここもコロナ禍の元、手軽に体を動かす場所として、重宝されているようです。

 

清渓川を遡った冬の一日(前編)

以前から、ソウルを西から東へ真横に横切る川、清渓川(チョンゲチョン 청게천)沿いを歩いてみたいと思っていました。

1月のある土曜日、中浪川の合流点の少し手前、2号線の龍踏(ヨンドン용답)駅前から光化門(カンファムン광화문)駅近くの清渓川の起点まで遡ってみました。今回歩いたコースは9km弱です。

次回と2回にわけてお送りする清渓川アルキ、川幅の広い下流部は水鳥の活動が活発ですが、今回はヒヨドリがほぼ主役です😉

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ソウルへ来たことのある人は清渓川(チョンゲチョン)の名前を聞いたことがあると思います。

朝鮮王朝時代から重要な水場でした。
しかしソウル(漢陽)の人口が増えるとともに汚染がひどくなり暗渠(あんきょ)化が進められ、1976年には清渓高速道路が完成しました。

その後、高速道路の老朽化もあり、高架の撤去工事が行われ(2003~2005、たった2年!)、清渓川も”復元”され人工河川としてよみがえり、今はソウル市民の憩いの場となっています。

 

 

今年(2022年)は韓国も寒い年で、漢江(ハンガン)も部分的に凍っています。

龍踏(ヨンドン)駅前すぐの清渓川も川面の半分くらい氷っています。

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そこに氷の上をトコトコと”歩いている”鳥を発見! キジバトですね。

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キジバト(멧비둘기)

この辺りは、ソウル中心部の韓国客が訪れるエリアと異なり、川辺の道というより、土手の上に道が作られている感じです。

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土手には樹々も多いのですが、そこら中でヒヨドリが飛び回っています。

足元に飛んできて、葉っぱをむしって食べています。

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口を開け見上げてきます。餌でもやる人がいるのでしょうか?

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ヒヨドリをこんな近距離で見下ろしたのは初めてです😅

そのまま遡ると、今度は川面で水しぶきがあがっています。
なんと、気温零度前後の中、ヒヨドリが水浴びをしています。

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樹の上に止まって、

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伸びーっ。

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のども乾いて、水を飲みに行きます。

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向こう岸では、氷の上にのったドバトが、なるべく水から距離をとりながら、水を飲んでいます。氷の上でこわごわ水を飲むしぐさは結構かわいいかも。

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少し上流に遡っていくと、体が白く頭部が黒っぽい(濃緑色)鳥と、頭部が茶色い鳥が、混じって上流へ上っていきます。

これは、炭川(タンチョン)でも出会ったカワアイサ(비오리)の、それぞれオス、メスですね。

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上って行った先では、集団が大騒ぎしています。
どうもカップルになろうとして、お互いに円を描くように泳いでいます。

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ごちゃごちゃです😂

 


少し離れたところでは、頻繁に水中に潜っている小さな鳥がいます。
数は多くないですが、狩をしているカイツブリも元気です。

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カイツブリって、姿やサイズ感がちょうどお風呂に浮かべるアヒルのおもちゃみたいですね😁

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カイツブリ(논병아리)

ここまで、下流から川沿いに30号線の高架道路が並走していましたが、2kmほど歩いたところで川を横切り、北の方へ曲がっていきます。

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少し進むと、川辺に突き出した小屋風建物が見えてきます。

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f:id:OkaHiro:20220116131225j:plainかって川沿いに建てられていたバラック小屋を再現した建物で、内部には当時の生活の品々を展示しているのですが、コロナが激しくなってから閉館してるようです。
結構、日本人が見ても面白いグッズがあるのですが....

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まだ1/3くらいしか遡っていないですが、今回はここまでです。

 

 

 

 

百済の都、扶餘で冬晴れの一日を!

少し前、新羅の都だった慶州を訪れました。


今回は、百済(韓国語ではペッチェ:백제)の最後の都だった扶餘(プヨ:부여)を、12月の晴れた日に訪ねてみました(鳥は、最後にちょびっと登場です😁)

扶餘と言ってもピンと来ない人が多いかと思いますが、南北に長い韓国真ん中くらいで、西側にある都市です。扶餘になじみがなくても、多くの日本人は歴史の授業で「白村江の戦い(はくすきえのたたかい)」という言葉を聞いた記憶があるのではないでしょうか?

ここで、歴史をちょっと復習してみます。

百済は泗沘(サビ:現在の扶餘)に最後の都を設けたのですが、660年に唐・新羅連合により泗沘は落とされ、百済は滅亡します。しかし、各地の百済の遺臣たちが日本(倭国)との連合軍で、唐・新羅連合と起こした最後の戦が白村江(現在の錦江)で行われます。結局、敗退し、百済の遺臣たちが倭国へと亡命するわけですが、日本と韓民族が連合して戦うって、今の日韓情勢を見ると面白いですよね。

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扶餘山の頂上から白村江(錦江)を臨む

当時の百済は、東アジアでも有数の仏教文化が開花した地だそうで、遺跡は点在していますが、なにせ1300年以上も昔のこと。最初に訪れた扶蘇山城(부소산성)も、なかなか漢城のように城壁が明確に残っているわけではないですね。形式としては2重の城壁が築かれたようですが、ちょっとわかりにくい。

まずは入口の扶蘇山門(泗沘門)前で入場料(2,000ウォン:193円)を払って、軽めのハイキングの開始です(でも気温は一日マイナスです😅)。

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扶蘇山門(泗沘門)

頂上へ向かう途中に三忠祠という百済末の三忠臣である成忠・興首・階伯を祀った建物があるのですが、実は別名、扶余神宮というそうです。神宮....そうです、日本です。
かつて倭国百済とは同盟国であったこともあり、第二次大戦のさなか、朝鮮総督府が、いわゆる「内鮮融和」を目的として建てた、という説もあるようです。

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三忠祠(삼충사)

少し寄り道しながら、山城の頂上へ。
頂上から見下ろしたのが、冒頭の錦江の写真です。

 

さて、ここから川へ降りていく道を行くと、660年の戦の時に、女官が操を守るため身を投げたという場所が落花岩。誇張もあるのでしょうが、その数3,000人とか!

その場に建つ百花亭、そしてそこから淵を見下ろすと、そんな歴史もあったかも、と実感しますね。

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百花亭
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ここから、さらに下へ降りていきます。

夏なら遊覧船が出るようですが、冬は一番下へ降りる道は閉鎖。

でも、ここから川面を見下ろすと、鴨の群れが浮かんでいます!
2つのグループに分かれていて、7、80羽ほどのこちらのグループは望遠レンズで寄ってみるとマガモの集団のようです。

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マガモ(청동오리)

一方少し離れた日陰にいるこちらのグループは、黒っぽい体に、お尻に白いアクセントが見えます。実はこれ、カルガモの集団です。軽く100羽は越えてそうです。

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カルガモ(흰빰점퉁오리)の集団

 

次に訪れたのは、百済時代の石塔が残っているという定林寺跡です。

ここでは、百済様式の国宝、五層石塔が有名です。

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定林寺跡(정림사지)の五層石塔

本当に、石造りのこの塔が百済の時代から建っていたのなら、地震の少ない韓国ならではですね。

 

さらに扶餘の街を南に降りると、宮南池(궁남지)に辿り着きます。
ここは、百済武王の別邸の池だったそうです。
この池には、抱龍亭という東屋があり、そこへ渡る木橋の風景が有名です。

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宮南池(궁남지)

そして、この池にもカルガモの群れがいます😃

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でも、よく見ると、少し小柄な真っ黒な鳥が混じっています。

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オオバン(물닭)

眼が赤くて、くちばしと額が白い、オオバンです! 初見です!!

カモに混じっていますが、カモ科ではなくクイナ科の鳥で、クイナは漢字では「水鶏」と書き、水の字が付く通りクイナ科の鳥は水辺に住んでいて、オオバンはその中でも一番大きい鳥だそうです。

 

今回は遺跡探訪が主になりましたが、ここまでです。

 

※おまけ

扶餘からさらに南に下った光州で、この季節ならではの鳥貝のしゃぶしゃぶを堪能しました。新鮮な鳥貝はシャキシャキした歯ごたえで絶品でした。

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店の前には、鳥貝の殻の山が...

 

コガモの雌、きらりと緑のアクセント!

今回は、京畿道(キョンギド)の南、忠清南道(チュンチョンナムド)のとある都市へ仕事で行ったときのこと。

ホテルの近くに水溜まりのような水路があったので、朝覗いてみました。ほんの15分くらいでしたが、水鳥が結構群れていました。

今回は仕事なので、ミラーレスでなくポケットにはいる望遠コンデジの出番でした。
朝方の日陰での撮影なので、ピント甘々です(言い訳です・・・😓)。

 

 

水の流れも滞ったこんな場所なんですが、

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歩道からも離れていて、安心して夜を過ごせるのか、まず目についたのがカルガモの群れ。

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カルガモ(흰뺨검둥오리)

そして、カルガモの群れのすぐそばにアオサギが一羽。

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アオサギ(왜가리)

人間が覗き込んでいるのが気になったのか、すぐ飛んでいってしまいました。

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さて今回の初見は、この子です。

なかなか近づけなくてピンボケ気味ですが、頭の茶色と緑のコントラストがきれいです。
この子は、コガモです。名前通り、カモの仲間では小さい部類です。

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コガモ(쇠오리) 雄

そして、そのそばに地味な鳥が一羽。
実は、こちらはコガモの雌なんです。

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コガモ(쇠오리) 雌

全身は地味目なんですが、お尻の近くの羽がきれいな緑色のアクセントになってます。

鳥の羽には、下図のような名称がついているのですが、コガモの雌は、次列風切羽が緑なのが特徴だそうです。

こんな鮮やかな色を、自然は配色したのですね😃

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8時を過ぎて、ようやく朝日がさしてきました。

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開店前の街中のカフェでは、大きなクマさんもちょっとまぶしそうです。

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今回は短めですが、ここまでです。